自己破産の「同時廃止」と「管財事件」はどう違う?——振り分けの基準と費用差

自己破産には同時廃止と管財事件の2種類がある。どちらになるかの判断基準、少額管財の仕組み、費用と期間の違いを解説する。

自己破産には2つの進み方がある

自己破産の手続きと聞くと、申立てをすれば一律に同じ流れで進むイメージを持つ人が多いが、実際には裁判所での扱いが「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類に分かれる。どちらに振り分けられるかによって、手続きにかかる期間も費用も大きく変わる。申立て前にこの違いを理解しておくと、必要な準備や見込み費用のイメージがつかみやすくなる。

同時廃止とは何か

同時廃止とは、破産手続きの開始決定と同時に手続きを終了(廃止)させる簡易な進み方を指す。これは、申立人にめぼしい財産がなく、免責を許可しない理由(免責不許可事由)に該当する事情もない場合に選ばれる。管財人が選任されないため、財産の調査や換価の手続きが発生せず、申立てから数か月ほどで免責決定に至ることが多い。費用面でも、裁判所に納める予納金が少額で済むため、経済的な負担は比較的軽い。

管財事件とは何か

管財事件は、裁判所が選任した破産管財人が申立人の財産状況や借入の経緯を調査したうえで手続きを進める方式である。一定額以上の財産(不動産、高額な自動車、保険の解約返戻金、退職金の一部など)を保有している場合や、ギャンブル・浪費など免責不許可事由に該当する可能性がある場合に選ばれやすい。管財人が財産を換価して債権者に配当し、免責を許可してよいかどうかも調査するため、同時廃止に比べて手続きの期間が長く、予納金も高額になる。

どちらになるかを分ける基準

振り分けの主な基準は「一定額を超える財産の有無」と「免責不許可事由の有無」の2点である。多くの裁判所では、現金や預貯金、生命保険の解約返戻金などの合計が一定の基準額(20万円程度が目安とされることが多い)を超えると管財事件になりやすい。また、過去にギャンブルや浪費で借金を重ねた場合、虚偽の申告をした場合なども、財産の有無にかかわらず管財事件として調査を受ける可能性がある。基準は裁判所ごとに運用が異なるため、申立てを依頼する弁護士・司法書士に事前に確認しておくことが望ましい。

少額管財という中間的な制度

本来の管財事件よりも簡易な手続きとして、多くの地方裁判所では「少額管財」という運用が設けられている。これは、事案が比較的単純で調査の負担が小さいと見込まれる場合に、予納金を抑えつつ管財人による調査を行う制度である。少額管財は代理人弁護士が申立てを行うことが利用条件になっている裁判所が多く、司法書士のみが対応した場合や本人申立ての場合は利用できないことがある。同時廃止と通常管財の中間の位置づけとして、費用と手続きの丁寧さのバランスを取る役割を果たしている。

費用と期間の目安

同時廃止の場合、裁判所への予納金は数万円程度に収まることが多く、申立てから免責決定までは3〜4か月程度が目安となる。これに対し、少額管財では予納金が20万円前後、通常の管財事件ではさらに高額になるケースがあり、手続き期間も半年から1年程度に及ぶことがある。弁護士・司法書士への報酬は別途必要になるため、総費用は依頼先や事案の複雑さによって幅が出る。見積もりの際は、予納金と報酬を分けて確認するとよい。

まとめ

自己破産は「同時廃止」と「管財事件」のどちらに振り分けられるかで、期間・費用・手続きの負担が大きく変わる。財産が少なく免責不許可事由もない場合は同時廃止で比較的短期間に終わる一方、財産がある場合や事情が複雑な場合は管財事件となり、少額管財という中間的な運用が用意されていることも多い。自分がどちらに該当しそうか、無料相談の段階で見通しを確認しておくことが、手続き全体の負担を把握するうえで重要である。

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